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AKG創設者の想い: TEDxAwaji 2021 「自然が育む子どもの主体性と幸せ」

更新日:4月22日

フィールドには、

竹のテントが2つ。

タイヤが7つ。

テーブルとベンチがいくつか。


あなたなら、どのように楽しみますか?


= = もくじ = =


淡路島の自然のフィールドで遊ぶ子ども

AKG園長の井上やすかが TEDxAwaji 2021 に登壇しました。


・自然の中で子どもが育つとどうなるのか?

・主体性と創造力はどのように育まれるのか?


Awaji Kids Garden が生まれたきっかけとなり、今はたくさんの子どもたちが成長しているAKG指針の柱となる想いがつまったスピーチ。


『なんとなく、子育てするなら自然がよさそうだよね』が確信に変わる17分間です。




淡路島 | 木登り | 海賊船ごっこを楽しむ子ども

主体性

自らの考えで、行動を起こすこと。


フィールドにつくと、真っ先に大きな木の海賊船や、恐竜の骨の発掘ごっこ、花びらや小石のお料理を始める子どもたち。


あるいは、寒くなったらジャケットを着て、雨が降ったらレインスーツを着ることを自分でできる子どもたち。


言われなくても、自ら心地良くしようとする力。

自分で遊びを作り出し、幸せを創る力。

その源が【主体性】*なのです。



創造力

常識にとらわれない、

新しいアイディアを生む力。


花びらをお料理に見立てるのもそうですし、

例えば、英語が喋れなくてもどうしたら気持ちが伝わるかを考えて、英語スタッフとおままごとを楽しむこと。


シャベルが1本しかない時に、その問題に気づき、お友だちが一緒に掘れるように「竹の筒を割ってシャベルにしよう!」と、みんながハッピーな解決法を思いつくこと。


大人が考えつかない発想で、自分もお友だちも幸せになれる解決法を思いつくのが、豊かな子どもの【創造力】ですよね。



自然

そんな主体性と創造力が

最も育まれるのが【自然】なのです。


自然の中には、自分で考え、工夫し、「やりたい!」気持ちを実現する機会がたくさんあります。自然遊びを通して、自分の意思と工夫で楽しみを創っていく環境では、子どもは自ら目覚ましい成長を遂げます。


子どものうちから、自分で幸せを創ることができたら。

この先も幸せを創り続けられたら。


世界は幸せに満ち溢れると思いませんか?


井上やすか TEDxAwaji 自然が育む子どもの主体性と幸せ

TEDxAwaji 2021 スピーチより

「自然が育む子どもの主体性と幸せ」

Motivation and Happiness of Children in Nature



はじめに:いろんな子どもたち

[0:10]


始めてフィールドに来た3歳の女の子は、じっと座り込み、そしてスタッフに訊きました。

「何をすればいい?」


スタッフがいくつかの遊びに誘って楽しんだものの、その遊びが終わるとまた座り込み、「何をすればいい?」と訊きます。おもちゃなどの従来の遊び道具や、こうして遊ぼうねというような先生からの提案がないフィールドでは、自分で楽しみを見つけられないのです。こんなにも豊かな自然に満ちた中で、このような子どもに出会う度に、心が痛みます。


半面、同じ3歳でも、スルスルと木に登り、「これは海賊船だ! 僕は世界の旅に出るんだよ!」とすぐに遊びの世界に入り込む男の子や、たんぽぽやキラキラの石でお料理を始める子どもたち。2歳でまだよちよちしながらも、一生懸命凸凹の地面を歩いてどんぐりを見つけ、思いっきり自然を楽しむ姿もあります。


違いは、なんでしょうか?


やりたい! 主体性、淡路島 AKGの自然を楽しむ

主体性とは

[3:05]


とても寒い日のこと。


バスから降りて、すぐにセーターやジャケットを着こんで遊び始める子。

「走ったら暖かくなるよ!」と元気に遊び始める子。


でも、その横で、寒さに震えている子も少なからずいるのです。

スタッフが「寒いね」「どうしよう?」「ジャケット着る?」と声をかけても、突っ立ったままの子たちは、実は「寒い時はジャケットを着たら心地よくなる」ということを知らないのです。今まで理由がわからず「ジャケットを着てください」と指示されて行動していただけの子どもは、5, 6歳になっても自分で思いつくことができない。


雨の日にも、同じような光景が見られます。

雨しずくを感じると、すぐにレインスーツを着る子、雨に濡れるのを楽しむ子。

その横で、濡れたくないのに、大人に言われるまで何もせずに雨に打たれている子...


「自ら行動をおこすこと」

それが、主体性です。


自らを心地良くすること、

楽しい時間を作ること。


この主体性の力の違いは、遊びの中でも見られます。


ある日、「穴を掘って、恐竜の骨を見つけたい!」と、5歳の男の子がシャベルで掘り始めたことがありました。他の子どもたちも一緒にやりたくなり、その時シャベルが1本しかなかったので、竹の筒や木の枝を使ってみんなで堀り続け... 恐竜の骨はなかったけれど、水が湧き出てきました!子どもたちは大興奮。「見て!水が出てきたよ!井戸ができたよ!」


もし、スタッフが「今日は穴を掘って井戸を作ってね」と指示していたら、子どもたちはどのようになっていたでしょうか?こんなにも好奇心にあふれ、2時間も集中し、興奮して井戸を掘りあてた達成感を味わえていたでしょうか?



創造力とは

[7:47]


井戸発掘のエピソードで印象的な点は、子どもたちが自ら主体的に始め楽しんだこと以外にもあります。


この時、シャベルが1本しかありませんでした。

シャベルが1本、でもみんな一緒に掘りたい。

順番こ、じゃんけん、諦める。どれも、全員の希望を同時に叶えることはできませんよね。


でも、男の子は考えました。竹の筒を割ったものや、木の枝をシャベル代わりに提案。みんなニコニコと一緒に取り組んでいました。


掘る時はシャベルを使う、

そんな常識にとらわれない、新しいアイディアを生む力。

みんなが幸せになれるように、新たな発想で工夫すること。


あるいは、英語が喋れないけど、英語スタッフに伝えたいことがある時に、どうしたら気持ちが伝わるかを考え付く力も、創造力です。


竹のコップを英語スタッフに持ってきて、「見て!ジュース。花、砂、水。混ぜ混ぜ。おいしい!」と知っている言葉を繋げてみた女の子は、完璧な英文章でなくても、十分に気持ちが伝わって一緒に楽しめることを体験できたでしょう。


余談ですが、こんな「心の繋がり」こそが、親が子どもに望む国際交流ではないですか?

私自身も、仕事で世界様々な国を旅して、共通言語を持たなくても、「この人と通じ合いたい!」との気持ちと工夫する発想力で、仕事も食事も遊びも楽しめた経験があります。


でも、主体的な気持ちや、発想豊かな創造力は、一朝一夕で身につくものではありません。


穴掘り、恐竜の骨の発掘、竹のコップでジュース | 淡路島 AKG

自然の大切さ

[11:01]


一日中、大自然と英語の中で過ごしてこそ、主体性と創造力が育まれるのです。


自然には、ひとつとして同じものがありません。葉っぱ一枚一枚が違います。森の中を進む一歩一歩も違います。頬に感じる風、鳥や虫の声、踏んでいる地面の泥や葉っぱ、土や木々の香り。五感を刺激する自然の全ての要素は常に変化していて、歩くだけでも工夫の連続。それが子どもの成長にとって最適なのです。


恐竜の骨を発掘したくて掘っていた子どもたちは、体力と五感を2時間たっぷり使っていました。同時に、シャベルや竹筒などそれぞれの道具をいろんな層に合わせて使う工夫、友だちと一緒に作業したり問題解決をする喜びがありました。たくさんの成長が、このエピソードの中につまっています。


3つ目の大切な要素、全てを包括する要素が、自然の中にあるのです。

自分で自分を成長させる力

大人が教え込まなくても、子どもは自分自身で成長できるのです。


・子どもが自分でやりたい!と思う【主体性】

・新しい発想で工夫する【創造力】

・その実現に最も適した自然の【環境】



家や街中で育む方法

[14:16]


●寒い時、「ジャケットを着て」と伝える代わりに、子どもに訊いてみましょう。

『今日、寒い?どうすればいいかな?』

着る代わりに走る!と言われたら、その発想を試してもらいましょう。いつか、ジャケット着る方が簡単だと気づきます。自分で気づくことが重要なのです。


●公園についたら「ブランコしようか。砂場でお城を作ろうか」と提案する前に、子どもが自分で何かをやりたい気持ちになるのを待ってみましょう。ブランコしようかな。砂で遊ぼうかな。お友だちがいるから声かけてみようかな。そんな気持ちに子ども自身がなるのを。


●お家で、お絵描きしたい!と言われたら、紙と鉛筆を渡して「お姫様描こう。車を描こう」と言う前に、子どもがどうするか見守ってみましょう。もしかしたら、鉛筆をさわるだけだったり、文字を書きたいのかもしれません。自ら車を描きたくなるかもしれません。


自分でやりたいことを見つける。

自分で幸せを創る。

こうすることに慣れるのが、なによりも大切なのです。



自分と他者を心豊かにできる人

[16:17]


子どものうちから、自分で幸せを創ることができたら。

将来にわたって、幸せを創り続けられたら

世界は幸せに満ち溢れると思いませんか?


自らの意思と工夫で遊びを創り、目覚ましい成長ができる環境があればいいなと思い、豊かな自然あふれる淡路島に、インターナショナル森のようちえんを創設しました。


自然遊びと、外国からのスタッフとの交流を通して、

主体性と創造力を持ち、

自分も他者も幸せに、心豊かにできる人になってもらいたい。


前述の、「何をすればいい?」と訊き続けていた女の子。

1年半経った今では、フィールドに着くなり真っ先に木々に向かい、色とりどりの葉っぱで枝やツルを飾って「ここは私のお城だよ!みんなでお花のごちそうでお茶会しましょう♡」


そんな子に育っています。


TEDxAwaji 井上やすか Awaji Kids Garden アワジキッズガーデン スピーチ 自然が育む子どもの主体性と幸せ




*主体性と自主性の違い


自主性とは、決まっていることや知っていることを、その時に指示されなくても自分で思い出して行動する力。


主体性とは、問題解決のために自らやるべきことを考え、自ら責任を持って行動する力。


「自らやるべきことを考えること」

「責任が自らにあること」

が 、ただ行動することに加えて【主体性】に備わる力と言えます。


<TEDxAwajiとは>

「TED」は、アメリカに本拠地を置き、全世界でプレゼンテーションイベントを実施する非営利団体です。「TEDx」そのTEDから公式にラインセンスを受けて行われる、地域により独自に展開されているプレゼンテーションイベントです。今回は、淡路島実施初の「TEDxAwaji」として、そのスピーカーの1人にAKG園長のYassyが選ばれました。


※x=independently organized event /TEDxその地域により独自に展開している組織であることを意味しています。


 

【英語×自然】2歳から6歳の週末インターナショナル森のようちえん。

淡路島の自然の中で自由に過ごし、様々な国のスタッフと英語で遊びながら、子どもの主体性・創造力・尊重する心を育てる場です。

毎週【金】【土】【日】に活動中!





 

= = = AKGと繋がろう! = = =






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