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【食育】子どもの食を育むためにできること3選

更新日:4月22日

「うちの子、好き嫌いが激しくて困っている」

「忙しくて、なかなか食事や健康について子どもと考える余裕がない」

「食育は大切と聞くけど、難しそう。大変そう」


子どもの健康や発達に関わるだけに、食事の悩みは尽きないですよね。


この記事では、

「食育」とは何か、

そもそも、なぜ幼児期にこそ食育が大切なのか、

忙しいパパママでも、気軽に毎日の生活の中でできることなどをご紹介!


ぜひ、お子さんとご家族の健康に繋げましょう♪


 

目次

 

「食育」とは

食べる力 = 生きる力


生きていく上で大切な要素である食事。

2005年に「食育基本法」が制定され、

社会全体が食の大切さを意識し始めました。


・食べ物に関する知識を身につける

・バランスの良い食事をし、健康的な食生活を実践する力をつける

・健全な食生活で豊かな人間性を育む


これらの力を育むのが「食育」、

特に、子どもの頃の食習慣は、一生の健康を左右します。


生涯にわたって健康でいきいきとした生活を送れるよう、ぜひお子さんが小さい今、食育に取り組んでいきましょう!


生活習慣は子どもの時に身につく

・お腹がすくリズムをもつ

・食べたいもの、好きなものが増える

・食事の栄養バランスや適量がわかる

・食事作りや準備にかかわる

・自然や食文化に触れる・家族や仲間と楽しく食べる


これらの生活習慣は、子どもの時にその基本が身につくと言われています。


「よく遊び、よく眠り、食事を楽しむ」生活リズムが子どものうちから整っていると、将来、糖尿病やがんなどの生活習慣病のリスクを減らしたり、成長の遅れ、抵抗力の低さ、そして肥満の回避に繋がることもわかっています。また、成長ホルモンが分泌されることで情緒が安定したりといいことばかり。


味覚を含めて五感が著しい発達を遂げるのも、0〜6歳頃ならでは。様々な食体験を重ねて子どもの感性を磨き、食べたいものや好きなものを増やせる大切な時期でもあります。


家族との安心感や信頼感、お友達との交流など人との関わりから社会性が育まれるのもこの時期。一緒に食卓を囲み、食事が美味しく楽しいことを実感したり、大人の姿を見て気持ち良く食事するためには決まりごとやマナーがあることなどを知るのも、そんな社会性の育ちの一部です。


十分に体を動かし、1日3回の食事と間食にお腹が空くリズムを体感すること。

いろんな食材を美味しくバランス良く食べること。

楽しい食体験で、食事への意欲を育むこと。

そんな、大切な食習慣が形成されるのが、乳幼児期なのです。




免疫力がつき、強い身体をつくる


免疫とは、病気から身を守るための様々な体内システムのことですが、その防御壁の外側を守るゲートキーパーが腸内細菌です。病気をおこす外敵や毒素などが体内まで到達しないように排除する役割を持っています。その腸内環境は、食育を意識したバランスのいい食事を食べることで良くなり、免疫力がついていきます。


ですので、特に2、3歳の子どもにつきものの好き嫌いや食べムラもありますが、おおらかに栄養バランスがとれた食事をすることは、大変重要なのです。


また、幅広い食材を食べて豊富な栄養素をとるためには、食経験を重ねさまざまな味を知り、食べられる味を広げ、味覚を発達させることも大切な要素。


好奇心が旺盛な幼児期に、味だけでなく、見た目や香り、食感、音なども「美味しい」と感じられることは、子どもの感性を磨くだけでなく、好奇心や探究心も引き出され「食べたいもの、好きなもの」が増える子どもを育みます。この、繊細かつ複雑な食材本来の味や「うま味」を楽しめる嗜好は、将来の健康的な食生活の土台となり、免疫力だけでなく生活習慣病の予防にも繋がります。


さらに、様々な食材をよく噛んで食べることは、消化がよくなるだけでなく、脳の働きが活性化され、発達中の顎が鍛えられ歯並びが良くなり、さらに唾液の殺菌作用で虫歯予防にもなるのです。


小さいうちから食育を意識して様々な食材を楽しむことは、まさに「強い身体」の最大要因の一つと言えるでしょう。




自分の身体や健康について考える土台ができる


食べ物について知ること

一緒に食事をしながら、

「このスープ、いろんなお野菜が入ってるね。」

「お豆って色によって舌触りが違うね。」

興味と気づきのきっかけとなる声かけ


お腹が空くリズムを体感し、栄養ある食事をすること

たくさん遊んで、動いて、

「お腹空いた!」

という感覚を体感することは、生活リズムを身につけている途中の幼児にとって、とても重要です。

 

健全な食生活で「食事が楽しい」を体験すること

忙しさから、食事を急かしたり、

つい子どもだけで食卓につかせていたり、

自分はテレビやスマホに注意を向けて、子どもとの会話が途絶えていたりしませんか?


幼児期の子どもは、興味がいっぱい!

且つ、「お腹が空いたら食べる」「食事で栄養を摂る」ということがまだしっかりと認知されていない年齢です。


遊びが楽しくて食事をせずに過ごし、お腹が空いて癇癪をおこしてしまうのも、小さな子どもにはありがちなこと。


「食事が楽しい!」と思い、

時間になったら食卓につきたくなること。


「食べたら体も気持ちも楽しくなった」

そんな体験を日々積み重ねることが大切なのです。


大人の毎日は忙しいですが、

楽しい食卓を作ることを、できるだけ優先しましょう。




食育を意識したそんな生活は、自ずと「自分の身体は食べ物からできている」という感覚が育まれます。幼児期から育まれるこの感覚が土台となり、心と身体が最も成長するといわれる思春期にも、適度で規則正しい食生活が心地よく身につくのです。


そして、生涯にわたって健康でいきいきとした生活を送る基礎となる「食べる力」が養われます。



子どもの食を育むためにできること


では、具体的にどのような取り組みをすれば良いのでしょうか?


「まだ普段の生活もままならない小さい子どもに、食事バランスや嗜好の大切さについて教えるなんて無理!」

と不安に思ってしまう・・・


心配いりません♪

ここでは、忙しいお母さん・お父さんでも、ほんの少しのプラスアルファでできる工夫をご紹介。


幼児期にこそ大切な「食育」を、ぜひ取り入れて、家族の食卓を豊かに、そして生涯にわたるお子さんの健康を育んでいきましょう。



一緒に楽しく食べる!


まず、子どもに、どんな食生活を送ってほしいかを考えてみましょう。

生活リズム、免疫力、綺麗な歯並びなど、様々なポイントをあげてきましたが、要は【楽しく食べる子ども】ではないでしょうか。


家族で食卓を囲み、一緒に食べる楽しさを味わう

心身ともに著しい成長を遂げる幼児期だからこそ、家族団らんを楽しみ、身体も心も満たす「美味しい」体験を大切にしましょう。


嗜好の幅を広げて、いろんな味わいを楽しめる子に

幼児期は、甘味 (エネルギー源である糖質)、塩味 (体液のバランスを整えるミネラル類)、うま味 (体に不可欠なアミノ酸) を、本能的に摂ろうとします。


様々な食体験を重ねることで、「基本の五味」の2つである酸味や苦味の美味しさがわかるようになり、複雑な味わいも楽しめる嗜好へと成熟していきます。


大事なのは、一緒に食事をすること。

例えば、苦手な酢の物でも、親が美味しそうに食べる姿を見て子どもは少しずつ箸を伸ばすようになり、やがてその美味しさがわかるようになります。子どもの嗜好の幅を広げるために、子どもが食べないからといって食事に出さないということはせず、親子一緒に食事をするようにしましょう。幼児期の食体験が、偏食を防ぎ、将来の嗜好を作ります。


子どもの五感を磨く食体験で感性を育む

食事の時、「美味しい」だけでなく、

「きれいな色だね」

「甘い香りがするね」

「コリコリ音がするよ」など、五感様々な気づきにつながる声がけを心がけてみましょう。


五感の発達は子どもの感性を磨き、好奇心や探究心も引き出します。



一緒に料理をしてみる


生のお野菜を味見する感覚体験。

固かったり苦かったりする生の食材が、火の力で感触や味が変わっていく、小さい子どもにとってはまさに魔法の料理体験。


五感をフルに使う調理は、食を身近に感じ、好奇心を育み、食べることへの興味にも繋がります。


2、3歳のお子さんでも、

お野菜を触ったり嗅いだり、レタスなどを洗ったりちぎったり。

おにぎりを握ったり、卵やドレッシングを混ぜたり。

あるいは、お皿を並べたり、きれいに盛り付けたりすることも、「食材を美味しく楽しめるようにする」子どもができる大事なお料理です。



家庭菜園を始めてみる

野菜がどのように育つか、

どのぐらいの時間と手間がかかるのか、

どんな季節に何が実るか、

自分で育ててみるのが一番の気づきの機会となります。


手間暇かけて育てたお野菜は、例え形が悪くても、子どもにとっては特別なものに感じるはず。大切に食べてあげようという気持ちが芽生え、積極的に食べるようになるでしょう。


万が一栽培に失敗しても、野菜は簡単にできないということを体感する機会になります。


今ではベランダ菜園セットなど、便利なものが売られているので、手軽に作ることができます。

「◯◯ちゃんが育てたトマトだよ」

「◯◯くんが毎日お水をあげたから、こんなに大きく美味しくなったね」

そんな気づきや味わい方のきっかけとなる、最適な方法です!




家庭では難しい... と悩む方に!AKGで食育しよう


それでも、やっぱり自分には余裕がないし難しそうと思っている方は、そんな食育活動をしている園や施設に任せてみるのはいかがですか?


「自分と他者を心豊かな人に育む」インターナショナル森のようちえん・Awaji Kids Garden では、

一年を通して、

淡路島の名産品・玉ねぎをはじめ、

子ども大好きカラフル可愛い実のトマトやミニトマト、支柱にからまりながらびっくりするほど大きくなるきゅうり、土に這うように育つかぼちゃやスイカ、そして地面の中に隠れているジャガイモやにんじんなど、様々な野菜を菜園で育ています。


「わぁ!葉っぱが大きくなった!」「にんじん見えないね。どこにいるの?」

「緑だけど、トマトなの?味見してみたら酸っぱい!」


毎回、たき火でランチを作るのも、子どもたちには大きな魅力。

火の熱さにびっくりする子も少なくありません。


勢いよく踊る炎がお湯をぐつぐつさせたり、食材の姿が調理によって変化している様子を、子どもたちと一緒に体験。


「赤かったお肉が、みるみる抹茶色!」

「かぼちゃが溶けて、スープがオレンジ色になったね」


そして、みんなで食べるランチは、

森の中という自然も手伝ってか、

楽しい会話がいっぱい。



食べる力は、生きる力。

「食育」を通して、

ぜひ今も将来も心身ともにいきいきと健康な生活を送れる基本を作りましょう♪



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食育で心も豊かに!家庭で楽しめる食育アイディア5選


 

【英語×自然】2歳から6歳の週末インターナショナル森のようちえん。

淡路島の自然の中で自由に過ごし、様々な国のスタッフと英語で遊びながら、子どもの主体性・創造力・尊重する心を育てる場です。

毎週【金】【土】【日】に活動中!





 

執筆:保育士・食育インストラクター



参考文献

桐村里紗 (2021).『腸と森の「土」を育てる 〜微生物が健康にする人と環境〜』. 光文社.

一般社団法人 全国料理学校教会編 (2018). 『 “食育” 調理技術の基礎』. NPO日本食育インストラクター協会.



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